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韓国政府 ウクライナへの武器支援を示唆 朝ロ条約受けて

ニュース2024-06-21
韓国政府 ウクライナへの武器支援を示唆 朝ロ条約受けて

韓国政府は、北韓とロシアが相手国が攻撃を受けた際に直ちに軍事的援助を提供する内容の条約に署名したことを非難し、ロシアと戦争中のウクライナに対して殺傷兵器を支援しないとしてきた従来の方針について「見直しを検討する」考えを明らかにしました。 
 
北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とロシアのプーチン大統領は、19日に首脳会談を行い、相手国が武力攻撃を受けた際には、直ちに軍事的援助を提供する内容が盛り込まれた「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名しました。

これについて、大統領室は20日午後、NSC=国家安全保障会議を開き、対応を協議しました。
 
このあと大統領室の張浩鎮(チャン・ホジン)国家安全保障室長は声明を発表し、北韓とロシアが「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名し、軍事的・経済的協力を強化することで合意したことについて、「厳重に遺憾を表明するとともに糾弾する」と述べました。

張室長は、韓国戦争とウクライナへの侵攻など侵略戦争を起こした北韓とロシアが、「起こり得ない国際社会の先制攻撃を想定して軍事協力を約束することは、詭弁であり理屈に合わない」と強く批判しました。

また、「北韓の軍事力増強につながる、いかなる協力も国連安全保障理事会の決議に反する」とした上で、「北韓を支援することは、韓国とロシアの関係に否定的な影響を及ぼしかねない」と警告しました。

さらに、韓国はこれまで、ウクライナに対して殺傷兵器を支援しない方針を貫いてきましたが、張室長は「ウクライナへの武器支援の方針について、見直しを検討する」と述べました。

その上で、政府は、ロシアと北韓の間で武器や石油の輸送などに関与した船舶や機関、個人を独自制裁の対象に指定することや、ウクライナを侵略しているロシアへの輸出規制の対象品目を拡大することも決定しました。
 
これにより、韓半島有事の際、ロシアが軍事介入する可能性が浮上する一方で、韓国政府もロシアと戦争中のウクライナに対する軍事的支援の可能性を示唆したことから、今後、国際情勢はさらに緊張感を増すものとみられています。

[Photo : YONHAP News]

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