金剛山がユネスコ世界遺産に登録 北韓で3件目

北韓の景勝地、金剛山(クムガンサン)がユネスコの世界遺産に新たに登録されました。優れた自然景観に加え、韓半島の仏教文化の聖地だった点が高く評価されたものとみられます。
ユネスコ世界遺産委員会は、現地時間の13日、フランス・パリで会議を開き、金剛山の世界遺産登録を正式に決定しました。
世界遺産委員会の諮問機関は、選定理由として「金剛山は独特で美しい地形と景観、韓半島の巡礼や山岳信仰の伝統が複合的に絡み合った文化的景観をもっている」と明らかにしました。
金剛山は白頭山(ペクトゥサン)と並ぶ韓半島を代表する名山で、太白山脈の北部、江原道(カンウォンド)の淮陽(フェヤン)、通川(トンチョン)、高城(コソン)の3つの郡にまたがっています。
標高1638メートルの最高峰、毘盧峰(ピロボン)を中心に、珍しい形をした岩石や滝、池が広がる美しい自然景観だけでなく、多くの寺院が点在する仏教の聖地として、朝鮮時代から巡礼が続いてきました。
北韓は2021年にユネスコ世界遺産委員会に金剛山の登録を申請しましたが、当時は新型コロナウイルスの影響で評価が行われず、ことし、申請からおよそ4年ぶりに登録が実現しました。
今回の登録により、北韓の世界遺産は3件に増えました。
最近、北韓は自然遺産の登録にも積極的に取り組んでおり、観光産業の育成を通じた経済活性化を図る狙いがあるとみられます。
金剛山では、韓国の現代グループが主導する南北共同の「金剛山観光事業」が1998年からおよそ10年間行われ、当時は韓国人観光客が北韓側に入り、金剛山を訪れる南北交流の場ともなっていました。
革新系で北韓に融和的な姿勢をとる「共に民主党」への政権交代が行われたなか、今回の世界遺産登録が南北間の交流・協力拡大のきっかけとなるかどうかにも関心が集まっています。
[Photo : YONHAP News]