韓国軍 北韓向け拡声器の撤去作業を完了

韓国軍は、北韓との軍事境界線付近に設置された北韓向けの宣伝放送に使用する拡声器を撤去する作業を5日、完了しました。
韓国軍当局が6日、明らかにしたところによりますと、前日午後までにおよそ20基の固定式拡声器がすべて撤去され、関連部隊内に保管されているということです。
今回の撤去措置は、南北間の緊張緩和を目的に今月4日から始まり、わずか1日で終了しました。
北韓もこれに応じて韓国向けの拡声器を撤去するかどうかに注目が集まっていますが、いまのところ目立った動きは見られていません。
北韓は、韓国政府がことし6月に拡声器による北韓向けの宣伝放送を停止したことを受けて、韓国向けの騒音放送を停止しています。
国防部は4日、拡声器の撤去作業に着手したことを発表した際、北韓との事前協議なしに韓国政府が独自に行った措置であることを明らかにしていて、ことし6月11日におよそ1年ぶりに拡声器放送を停止したのに続いて、今回も韓国側が先に融和的な姿勢を示したことを強調しました。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が先月28日、韓国政府の融和措置を否定する談話を発表したのに対し、李在明(イ・ジェミョン)大統領は翌日、「平和的な雰囲気のなかで南北の信頼を回復することが重要だ」と強調しています。
今回の拡声器の撤去措置については、韓半島の平和定着に向けて、一貫した行動を取るという李在明政権の確固たる意思を示したものだという評価が出ています。
[Photo : YONHAP News]