北韓の巡航ミサイル発射 韓国と日本に駐留する米軍を想定か
韓国軍の関係者は、北韓が22日に行った巡航ミサイルの発射は、アメリカが核戦力を含めた拡大抑止を強化していることに反発し、核弾頭を搭載できるミサイルで韓国と日本に駐留するアメリカ軍を攻撃できることを誇示する狙いがあるという見解を示しました。
韓国軍によりますと、北韓は22日午前4時ごろから、韓半島西の海、西海(ソへ)に向けて数発の巡航ミサイルを発射しました。
韓国軍の消息筋は、北韓版のトマホークと呼ばれる「ファサル1」または「ファサル2」を3、4発発射したとみられると話しています。
北韓は、19日にも、韓半島東の海、東海(トンヘ)に向けて、短距離弾道ミサイル2発を発射していて、いずれも未明の時間帯で、核による奇襲攻撃の可能性を示すことで威嚇の度合いを強めたものとみられます。
19日に発射したミサイルは、ロシア製の短距離弾頭ミサイル「イスカンデル」の北韓版「KN23」とされています。
北韓はことし3月22日に東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)咸興(ハムン)から戦略巡航ミサイル「ファサル1」2発と、「ファサル2」2発の、合わせて4発を発射する訓練を行い、高度600メートルで低空飛行しながら、空中爆発させたと主張しています。
巡航ミサイルは複雑な軌道で低空飛行するため探知や追跡、迎撃が難しい兵器です。
「ファサル1」と「ファサル2」の射程距離には、韓国や日本の全土が収まります。
韓国軍の当局者は、「19日の短距離弾道ミサイルの発射に続いて、巡航ミサイルを発射したのは、ミサイルの種類に関係なく戦術核でアメリカの拡大抑止能力を攻撃できると威嚇したものだ」と説明しています。
韓国軍は、北韓が「戦勝節」と呼ぶ韓国戦争の休戦協定の締結記念日となる今月27日に合わせて、核武力の高度化を誇示するさらなる挑発に出る可能性が高いとみて、北韓への監視体制に万全を期しています。
[Photo : KBS News]
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