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北韓 韓国の人権状況批判する報告書発行

ニュース2023-07-31
北韓 韓国の人権状況批判する報告書発行

北韓が、韓国の人権状況を批判する本を発行したことが明らかになりました。韓国政府の北韓人権報告書に対抗する狙いがあるものとみられます。 
 
北韓の朝鮮労働党統一戦線部傘下の平壌出版社は21日、韓国の人権状況を批判する内容の98ページにわたる本を発行しました。
 
まえがきには、「人間の政治的自由と初歩的な生存の権利さえもすべて蹂躙する、世界最悪の人権不毛の地、人権凍土帯の南朝鮮の実態を暴く」と書かれています。
 
内容は、「容赦なく抹殺される社会政治的権利」、「無惨に踏みにじられる経済文化的権利」など4つのテーマに分かれていますが、韓国の統一部が3月末に発表した「北韓人権報告書」と酷似しているため、統一部の報告書に対抗する狙いがあるとみられます。
 
北韓は、韓国政府が北韓人権報告書を発表した直後から、宣伝メディアを通して「謀略とねつ造」だと強く反発してきました。
 
北韓は、教育や治療を無償で行うなど社会主義の福祉制度のほか、障がい者など脆弱層を保護するための事業などを挙げ、人権を保障していると強調しています。
 
しかし、韓国政府の北韓人権報告書によりますと、北韓では食糧の配給が正常に機能していないため、ほとんどの住民が個人の経済活動によって食料を確保しているほか、医療も実際には無償で提供されておらず、医師らに何らかの謝礼を払っているということです。
 
国連や国内外の民間団体がまとめた報告書でも、北韓の拘禁施設での拷問など、組織的で広範囲な人権侵害の実態が指摘されています。
 
アメリカの人権団体「フリーダムハウス」が3月に発表した報告書で、北韓の自由指数は100点満点の3点を記録し、世界最下位圏となった一方、韓国は83点で「完全に自由な国」に分類されました。

[Photo : KBS News]

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