北韓で塾や家庭教師などの私教育の普及が進んでいて、最も人気の高い科目は数学であることがわかりました。また、アメリカに対する反感が強い北韓でも、英語を学ぶ生徒が多いということです。 
 
統一部は、2006年から2020年の間に北韓から韓国に逃れてきた脱北者287人を対象に、私教育を受けたことのある科目を複数回答で調査しました。

塾などに通ったことがある脱北者の割合は、2000年以前は3.2％でしたが、2016年から2020年は14.1％と大きく伸びています。

受講した教科のうち、数学は、2006年から2010年に脱北した人の37.5％が学校以外でも勉強していて、2011年から2015年はさらに割合が高くなり47.9％、2016年から2020年も47.7％で、全教科中で最も高くなっていました。

2016年以降で数学についで人気が高かったのは芸術分野で33.8％、英語は27.7％となっていました。
 
また、私教育に使われるお金は一か月2万ウォン程度ということで、北韓の平均月収がおよそ20万ウォンであることを考えれば、所得の1割を塾や習い事に使っていることになります。
 
統一部は、「脱北者の多くが富裕層ではない点を考慮すれば、中間層でも私教育が一般的になっていることがわかる」と説明しています。

[Photo : YONHAP News]