北韓とロシア、そして中国の3か国が合同軍事演習を実施する可能性が浮上しているなか、北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長は、海軍の強化を改めて強調しました。 
 
北韓、ロシア、中国の3か国による軍事演習が実現した場合、韓半島をめぐる韓日米3か国との対立の構図がより明確になるとの指摘が出ています。
 
ロシアの国防長官は5日、北韓と合同軍事演習の実施について議論したと明らかにしました。
 
ロシア側は、これまで中国と実施してきた軍事演習に北韓が参加する形を希望しているということですが、北韓がロシアの提案を受け入れたかについては、明らかになっていません。
 
北韓が態度を決めかねている理由について、2016年に脱北し、現在、与党「国民の力」に所属している太永浩（テ・ヨンホ）議員は5日、「北韓は、ロシアによる北韓の武器購入の規模や、ロシアからの軍事協力の程度を見極めたあと、提案を受け入れるかどうか判断するものとみられる」と説明しました。
 
アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズによりますと、金委員長は、ロシアとの兵器の取り引きについてプーチン大統領と直接協議するため、今月、ロシアへの訪問を調整しているということです。
 
一方、北韓の軍用機のほとんどは旧式で、空中訓練を行う戦力が事実上ないため、3か国による軍事演習が実現した場合、韓半島東の海、東海（トンヘ）で海軍による訓練が行われるものとみられます。
 
金委員長は最近、海軍関連で公の発言を頻繁に行って海軍の近代化を強調していますが、これについて、ロシアと中国との海上訓練を念頭に置いた動きだとする分析が出ています。

[Photo : ]