ことしの韓国の産業界は、「弱り目に祟り目」の1年でした。
新型コロナの世界的大流行とロシアによるウクライナ侵攻をうけ以降、グローバル・サプライチェーンのリスクが高まったことのに加え、アメリカと中国の覇権争いが激しくなったことで、自国の利益を優先する第一主義の経済産業政策がは、世界経済の一つの大きな流れとなりました。
アメリカは、北米地域で組み立てられたEV=電気自動車の購入者への税制控除を盛り込んだ「インフレ抑制法」を導入し、EU=ヨーロッパ連合は、二酸化炭素CO2の排出規制が不十分な国からの輸入品に対し、生産過程で排出された炭素の量に応じて事実上の関税をかけはじめる「炭素国境調整措置」を実施しました。
中国は、重要鉱物の輸出規制に踏み切りました。
これらの国はいずれも、韓国企業にとって、のおもな貿易相手国輸出先です。
一方で、アメリカと中国の覇権争いが深まるなか、アメリカは先端産業への制裁、中国は資源の武器化にそれぞれ乗り出し、グローバル・サプライチェーンを再編しています。
サプライチェーンのリスクはいまや、一時的な問題ではなく、韓国経済に常について回る問題となりました。
これに加えて一方、高金利や物価高、原油価格の上昇による不況で、主要国のことしの経済は、1%台から2%台の成長にとどまっています。
韓国でも実際に、去年の下半期から続いた半導体業界の冷え込みがは、予想を上回りました。
サムスン電子の上半期の営業利益は、リーマンショック以来、初めて1兆ウォンを下回りました。
SKハイニックスの業績も、7月から9月期に8兆ウォンの赤字となりました。
グローバル・サプライチェーンの再編、紛争戦争などの地政学的なリスク、景気低迷などは当面続くとみられ、韓国経済は難しいかじ取りを迫られそうです。
Photo : YONHAP News
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