北韓は、アメリカに対する交渉力を高めるため、中国やロシアとの関係強化を図る動きがみられ、関心が集まっています。
2回目の米朝首脳会談が物別れに終わったあと、急遽、帰国していた中国駐在や国連駐在の北韓大使がこのほど任地に復帰しました。
一部には、米朝の非核化交渉で中心的な役割を担ったこの2人が復帰したのは、今後の対米戦略の練り直しが一段落したことを意味するという見方が出ています。
同時に、北韓とロシアの首脳会談が迫っているという見方も出ています。
金正恩（キム･ジョンウン）国務委員長の「執事」とも呼ばれるキム・チャンソン国務委員会部長は今月19日にモスクワに入りし、3日連続で、クレムリン宮殿を訪ねたとされます。25日には、極東のウラジオストクを視察し、その後、帰国しました。
ウラジオストクは北韓からも近く、モスクワとともに朝ロ首脳会談の開催候補地として有力視されています。
北韓としては、最大の友好国の中国が、米中の貿易摩擦のため、身動きがとれなくなっているため、相対的に自由に動けるロシアとの接近を図っているものとみられます。
来月末に中国で開かれる、巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマに各国首脳らが協議する国際協力フォーラムで、北韓の金正恩（キム･ジョンウン）国務委員長、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領の3か国首脳による会談が開かれる可能性も取りざたされています。

[Photo : KBS News]