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「北韓、再設置した拡声器10個を撤去」政府消息筋

ニュース2020-06-24
「北韓、再設置した拡声器10個を撤去」政府消息筋

北韓は南北軍事境界線付近で韓国向け宣伝放送を再開するために21日いったん設置した拡声器を、それから3日後に再び撤去する動きを見せたことが確認されました。
政府消息筋は24日、北韓が南北軍事境界線付近の前線地域に再び設置した宣伝放送用の拡声器のうち、およそ10個を撤去していると明らかにしました。
北韓は、2018年4月27日の南北首脳会談で発表された「板門店(パンムンジョム)宣言」に基づいて撤去した拡声器を、およそ2年ぶりの21日に再設置したことで、拡声器を使った韓国に対する誹謗中傷など宣伝活動を再開するものとみられていました。
これに先立ち、北韓メディアは24日午前、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が23日に党中央軍事委員会の予備会議を開き、韓国に対する軍事行動計画を保留したと報じているため、突然の撤去作業は、金委員長の指示と関連があるものとみられます。
脱北者団体によるビラ散布を理由に、北韓が南北間のすべての連絡・通信チャンネルを遮断したほか、南北共同連絡事務所の爆破を強行したことで南北の緊張が高まっていましたが、北韓は当分の間、南北間の緊張レベルをコントロールしたい狙いがあるものとみられます。
また、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が予告していた軍事行動を突然保留した背景には、南北共同連絡事務所を爆破したことで、北韓住民を結束させ、韓国への強力な警告のメッセージを送ると同時に、国際社会の注目を集めることに成功したという判断があったという見方があります。
南北共同連絡事務所の爆破は、韓国側に2年あまりの間積み上げてきた成果が、一瞬で水の泡になる可能性があることを強調し、アメリカの顔色ばかりうかがわずに、南北関係の改善に積極的に乗り出すよう求めるメッセージだったというものです。
また、北韓がいつでも高いレベルの挑発を行えるということを明確にすることで、アメリカ大統領選挙や新型コロナウイルスの世界的流行の陰に隠れていた北韓の存在感を国際社会に示す効果も得られたと判断したとみられます。
加えて、韓国への軍事行動をただちに行うことは、経済回復に取り組んでいる北韓にとって負担になるほか、韓国とアメリカが大規模な韓米合同軍事演習を再開する理由を与える可能性があるという観点から、失うものが多いと判断したものとみられます。

[Photo : YONHAP News]

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