韓国政府は、北韓の体制を批判する大量のビラを風船に乗せて北韓に散布したなどとして、2つの脱北者団体の法人設立許可を取り消しました。
統一部は17日、脱北者団体の「自由北韓運動連合」と「クンセム」の法人設立許可を取り消したと発表しました。
「自由北韓運動連合」は、北韓に向けて体制批判のビラを風船に乗せて飛ばし、「クンセム」はコメを詰めたペットボトルを海に流し、北韓に送っています。
統一部は、許可取り消しの理由として、この2団体が設立目的に反して、政府の統一に向けた努力を阻害し、軍事境界線に近い地域の住民の安全を脅かしたことを挙げています。
統一部の当局者によりますと、「『自由北韓運動連合』は、設立目的について、政府の統一政策の推進を阻害しない範囲内で北韓の実情を知らせ、平和統一に貢献するとしている。また、『クンセム』は、脱北した青少年を支援する活動をするとしているが、ビラや物品の散布はこうした設立目的に反するものと判断した」ということです。
ビラを載せた風船を北韓に飛ばしたことで法人設立許可が取り消されるのは初めてで、この2団体は今後、政府の補助金や税制上の優遇措置が受けられなくなり、寄付金の募金も難しくなりそうです。
北韓は先月、ビラ散布への反発などを理由に、南北連絡事務所を爆破していて、これを受けて統一部はこの2団体を刑事告発し、法人設立許可の取り消し手続きを進めていました。

[Photo : YONHAP News]