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15日の北韓の弾道ミサイル発射 関係各国の分析続く

ニュース2023-06-16
15日の北韓の弾道ミサイル発射 関係各国の分析続く

北韓が15日、短距離弾道ミサイル2発を発射したことを受け、韓米の情報当局が分析を続けています。 
 
合同参謀本部は、北韓が15日に短距離弾道ミサイル2発を韓半島東の海、東海(トンヘ)に向けて発射した後、発射時刻は午後7時25分から37分、発射場所は平壌(ピョンヤン)の順安(スナン)付近と発表しています。
 
合同参謀本部によりますと、ミサイルはそれぞれ780キロ飛行したあと、東海上に着弾したということで、現在、ミサイルの詳細や追加の挑発の動きなどについて、韓米の情報当局が分析を進めているということです。
 
一方、日本の防衛省は、2発のミサイルの飛行距離をおよそ850~900キロ、高度を50キロ程度と推定しています。
 
防衛省によりますと、いずれもおよそ11分間飛行したあと、日本のEEZ=排他的経済水域内に落下したと推定されるということです。
 
韓国国家安全保障フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は、飛行距離や高度などから、ロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の北韓版とされる「KN23」の改良型である可能性が高いとの見方を示しました。
 
シン事務局長は「高い角度での発射ではなく、通常の角度で発射したとみられる」としたうえで、「短距離に分類されるミサイルだが、日本のEEZ内に落とすことで脅威のレベルを高めたとみられる」としています。
 
アメリカ軍と韓国軍は、先月25日から、南北の軍事境界線に近い地域で、過去最大規模の「韓米連合・合同火力撃滅訓練」を実施していて、最終日の15日は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領も視察に訪れています。
 
北韓は、ミサイル発射のおよそ30分前に、国防省報道官の談話を発表し、「敵のいかなる形態の挑発にも徹底的に対応する」と威嚇していて、今回のミサイル発射は、訓練への反発を示すとともに、近く開催が見込まれる朝鮮労働党中央委員会の総会を前に、内部の結束を固める狙いがあるとみられています。
 
北韓によるミサイル発射は、4月13日に平壌付近から固体燃料式の新型ICBM=大陸間弾道ミサイル「火星(ファソン)18」以来、およそ2か月ぶりです。
 
北韓は先月31日には平安北道(ピョンアンプクト)東倉里(トンチャンリ)の西海(ソヘ)衛星発射場から「軍事偵察衛星」を載せたとするロケットを発射しましたが、打ち上げは失敗しています。
 
一方、韓日米3か国の安全保障担当高官は15日、北韓による短距離弾道ミサイルの発射を「多数の国連安保理決議の明白な違反」と非難する共同声明を発表し、「北韓の違法な大量破壊兵器と弾道ミサイルプログラムは地域、国際平和と安全保障、国際不拡散体制に対する脅威」と批判しました。


2023年7月4日修正

[Photo : KBS News]

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