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北韓メディア「前例のない豊作」 食糧難解消につながるか

ニュース2023-10-09
北韓メディア「前例のない豊作」 食糧難解消につながるか

北韓はこのところ、農作物の収穫状況について、「前例のない豊作」と強調しており、食糧難が解消に向かうか注目されます。

北韓の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は6日、「黄海南道(ファンヘナムド)の広大な農場は例年にない豊作で、ここ数年見られなかった収穫量を見込んでいる」と報じました。

そして、翌日の7日には、「農業労働者たちは、苦労して育てた穀物を刈り取り、満面の笑みを浮かべて俵を積み上げている」とし、「ことしの作柄は非常に良い」と伝えました。

ロシアの駐北韓大使も先月、ロシアメディアとのインタビューで、「北韓はことし、かなりの収穫量を確保し、ロシアからの食糧支援の提案も断った」と述べています。

北韓は、食糧生産を経済分野で必ず達成すべき最優先課題に位置付け、力を入れているうえ、ことしは例年に比べて台風の被害が少ないことから、豊作になった可能性があるとみられています。

ただ一方で、北韓の穀物の作況について、例年とほぼ変わらず、食糧不足の緩和は見込めないという見方も出ています。

アメリカ農務省は、このほどまとめた報告書のなかで、ことしの北韓のコメの生産量について、去年とほぼ同じ210万トンと推定しているほか、韓国統一部も先月末、北韓の穀物の作況について、例年とほぼ同じという見方を示しました。

北韓のメディアが豊作を伝える報道を出しているのは、食糧生産を最優先の政策課題として掲げた金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の指導力が効果をあげたと強調することで、内部の結束固めをはかる狙いがあるものとみられます。

[Photo : YONHAP News]

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