北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長は、韓国を「敵対国家」とみなす姿勢を改めて示し、対話ではなく、軍事力を高めることで戦争を抑止する考えを強調しました。

北韓の朝鮮中央通信は、金委員長が軍の創設記念日に当たる８日、娘とともに国防省を祝賀訪問し、演説したと9日、報じました。

2月8日は、1948年に平壌（ピョンヤン）駅前広場で、北韓の正規軍である朝鮮人民軍の創軍式が行われた日で、「建軍節」と呼ばれています。

軍幹部や兵士らに向けた演説で、金委員長は、「韓国を‘第１の敵対国家、不変の主敵’と定めて有事には占領、平定すると決めたことは、我々の永遠の安全と将来の平和や安定に向けた当然の措置だ」と述べ、「これにもとづき、いつでも韓国を壊滅できる合法性を手に入れ、強硬な対応態勢を維持することができるようになった」と主張しました。　

そのうえで、韓国と対話も交渉も一切行わないと改めて表明し、軍事力を高めることで戦争を抑止する考えを強調しました。

金委員長は、昨年末の党の重要会議で、韓国を敵対国家とみなして対韓国政策を全面的に見直す方針を打ち出しています。

金委員長と娘は宴会にも出席し、党幹部らとともに祝賀公演を観覧したということです。

[Photo : YONHAP News]