ニュース

韓半島 A to Z

主なニュース

政府 統一方策を30年ぶりに変更し「人権・非核化」盛り込む方針

ニュース2024-03-05
政府 統一方策を30年ぶりに変更し「人権・非核化」盛り込む方針

韓国が北韓との統一を目指す際の基本原則とされる「民族共同体統一方策」では、南北が自主・平和・民主の3原則に則り、和解と協力を通して統一国家に至るとされていて、発表以降の30年間、一度も変更されていません。一方、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、発足当時から自由民主主義の価値を強調していて、統一部の金暎浩(キム・ヨンホ)長官は、統一方策を変更し、北韓の人権問題と非核化を盛り込むという尹政権の方針を明らかにしました。 
 
民族共同体統一方策は、1989年に盧泰愚(ノ・テウ)政権で発表された「韓民族共同体統一案」に基づいて、1994年に金泳三(キム・ヨンサム)政権が発表したものです。

尹大統領は今月1日、1919年に起きた独立運動の記念式典で、「北韓政権の暴政と人権じゅうりんは、人類普遍の価値を否定する。自由と人権といった普遍の価値を広げることこそが統一だ」として、自身の統一に対するビジョンを語りました。
 
統一部の金長官は4日、KBSとのインタビューで、統一方策の変更について、「北韓住民の自由や人権の増進、完全な非核化などの内容が盛り込まれるべきだ」と述べました。
 
政府は、去年から民族共同体統一方策の修正を検討してきましたが、ことしの初めに北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が韓民族の統一を否定し、韓国を「主な敵」や「交戦国」と規定したことを受けて、韓国側でも統一に向けた政策の変更についての議論が高まっています。
 
一方、南北の対立が激化しているなかで統一方策を修正するのは、北韓による挑発を招きかねないという懸念に対して、金長官は、「北韓が反発するからといって、韓国が追求すべき自由民主主義の憲法的価値を放棄するのは間違っている」と述べました。
 
また、「北韓住民の人権問題は極めて深刻で、食糧難や経済難を考慮すれば、われわれは原則に基づいて対応することが重要だ」と付け加えました。
 
新たな統一政策は、独立記念日の8月15日ごろに発表される見通しです。

[Photo : KBS News]

新着ニュース