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南北による宇宙からの偵察活動 軍事作戦も変化

ニュース2023-11-22
南北による宇宙からの偵察活動 軍事作戦も変化

北韓が軍事偵察衛星を軌道に進入させたと発表した一方で、韓国も今月末に初の偵察衛星の打ち上げを予定していて、衛星による偵察システムの運用が開始されれば、韓半島における軍事作戦のあり方も大きく変化するものとみられます。 
 
北韓は、軍事偵察衛星「万里鏡(マルリギョン)1号」を新型ロケット「千里馬(チョルリマ)1」に載せて21日の夜に打ち上げ、正確に軌道に進入させたと、22日の未明に発表しました。

北韓の主張通り、この偵察衛星が軌道に進入し、地上に信号を送っているかは、まだ確認されていません。
 
韓国とアメリカの軍と情報当局も、北韓の偵察衛星の詳しい情報や、打ち上げ後の動きについて、分析を行っています。

北韓は、ことしの5月と8月にも万里鏡1号の打ち上げを試みましたが、いずれも失敗しています。
 
北韓が、今回打ち上げに成功したと主張する万里鏡1号は、長さ1.3メートル、重さ300キロで、地上のターゲットの解像度は3メートル前後と推定されています。
 
万里鏡1号が軌道で正常に作動した場合でも、特定の地点の偵察はおよそ8時間間隔となるため、単体では偵察活動が十分に行えないということです。
 
北韓は、早期に偵察衛星を複数打ち上げることを発表していて、仮に5機が作動した場合、特定の地点の偵察がおよそ2時間間隔に短縮されます。
 
一方、韓国軍は今月30日にアメリカのカリフォルニア州にあるヴァンデンバーグ宇宙軍基地から、電子工学と赤外線を利用するレーダーを搭載した偵察衛星を打ち上げるほか、再来年までに電波を利用するレーダーを搭載した衛星4機を追加で打ち上げ、合わせて5機を戦力化する計画です。

レーダーの解像度は公開されていませんが、軍の関係者によりますと、地上にある30センチの物体を識別できるため、北韓が弾道ミサイルの発射に使用する移動式の発射台も探知できる水準だということです。 

韓国と北韓は、現在、偵察衛星を保有していませんが、運用が開始された場合、地上や海上などでの情報収集能力が高まり、作戦の実行範囲も広がるものとみられています。

[Photo : YONHAP News]

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