北韓は、韓国が南北軍事合意の一部停止を発表したことに反発し、合意の破棄を宣言しました。北韓はまた、弾道ミサイルの発射による武力挑発も行っています。 
 
朝鮮中央通信が伝えたところによりますと、北韓の国防省は23日、「我が軍は軍事合意に拘束されない」とする声明を発表しました。
 
北韓は21日に軍事偵察衛星を打ち上げていて、これに対抗する措置として、韓国は翌22日に、2018年に南北で結んだ軍事合意のうち、軍事境界線付近の上空を飛行禁止区域とする条項を一時的に無効とする決定を行いました。

23日の北韓による合意の破棄は、韓国の対応に反発したものとみられます。
 
北韓国防省の声明では、軍事偵察衛星の打ち上げについて、「敵の多様な軍事的行動を厳密に監視し、徹底的に備えるための自衛権の行使に該当する措置だ」と主張し、「緊張と衝突を防止するために取っていた措置を撤回し、より強力な兵力と新型の兵器を軍事境界線に配備する」と表明しました。
 
声明はさらに、「南北の間で取り返しのつかない衝突が起きた場合、韓国が全面的に責任をとることになるだろう」と威嚇しました。
 
韓国国防部のチョン・ハギュ報道官は23日、北韓が南北軍事合意の破棄を宣言し、その責任を韓国に転嫁したことについて、「事実関係をごまかしていて、盗っ人たけだけしい」と非難し、韓国軍として「北韓の動きを注視しながら国民を保護するための対応措置を講じていく」と強調しました。
 
一方、北韓は22日の夜遅くに、弾道ミサイルを発射しました。
 
韓国軍の合同参謀本部は、北韓が22日午後11時5分ごろ、平壌（ピョンヤン）近郊の順安（スナン）付近から、韓半島の東側の海域に向けて弾道ミサイルを発射したものの、失敗したと推定されると、23日未明に発表しました。
 
ミサイルの種類などは明らかになっていませんが、韓国とアメリカの当局が引き続き分析を行っているということです。

[Photo : YONHAP News]