ニュース

韓半島 A to Z

主なニュース

北韓の金与正氏の談話 統一部「米朝対話は予断できない」

ニュース2023-11-30
北韓の金与正氏の談話 統一部「米朝対話は予断できない」

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が発表した「アメリカと北韓の自主権について話し合うつもりはない」という談話について、統一部は、「北韓とアメリカの対話の実現可能性を予断するのは難しい」という見方を示しました。  
 
金副部長は朝鮮中央通信を通じて談話を発表し、「米朝対話の再開の時期と議題を求めたアメリカに対して、改めて明確にする。自主権をめぐってアメリカと向き合うことはない」としたうえで、「対話に向けても、対決に向けても準備しなければならず、特に対決に向けて徹底的に準備するのが我々の一貫した立場だ」と強調しています。
 
統一部の当局者は、金副部長が談話で、アメリカが北韓に対話の再開の時期と内容を明らかにするよう要求したと述べたことについて、「アメリカは北韓に対して前提条件のない対話の道が開かれているという基本的な立場を示し続けていて、金副部長の談話もその文脈でとらえている」と答えました。
 
北韓は2017年11月にICBM=大陸間弾道ミサイル「火星15」の発射実験を行ったあと、「核武力が完成した」と主張し、強硬な姿勢を見せましたが、2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックをきっかけに対話路線に切り替え、史上初となるアメリカとの首脳会談を開催しています。
 
今回、北韓が軍事偵察衛星の打ち上げに成功したことによって得た軍事的な自信をもとに、すぐさまアメリカとの対話に乗り出す可能性は高くないとみられています。
 
ただ、一部では、金副部長がアメリカを名指しした談話を発表したこと自体が、アメリカの出方に引き続き注目しているというメッセージだという見方も出ています。

また、金副部長が、「北韓の自主権についてアメリカと話し合うつもりはない」と述べたことは、対話を行う場合に避けるべき議題を明確し、「対話の可能性が開かれている」という姿勢を示すためではないかという分析も出ています。

[Photo : KBS News]

新着ニュース