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金委員長 北韓の配給制度の崩壊を認める 「地方経済は極めて情けない状態」

ニュース2024-01-26
金委員長 北韓の配給制度の崩壊を認める 「地方経済は極めて情けない状態」

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、地方で食料の配給が滞っていることを公式に認めたうえで、地方経済は「極めて情けない状態だ」として、地方を発展させるための政策づくりを指示しました。 
 
北韓の朝鮮中央通信は、23日と24日に開かれた党の政治局の拡大会議で、金委員長が北韓の地方経済について行った演説の内容を報じました。
 
それによりますと、金委員長は、地方で、食料品をはじめ、基本的な生活必需品すら十分に提供できていないのは、深刻な政治的問題だと指摘しました。
 
この発言は、金委員長が、配給制度が崩壊していることを公に認めたものとして受け止められています。
 
これに先立ち、金委員長は今月15日の最高人民会議で、「地方発展20×10」と題した政策を発表しています。

この政策は、20の地域で毎年工場を新設し、10年以内に地方の生活水準を改善することを目標としています。
 
1990年代に北韓を襲った食糧難によって配給制度が事実上崩壊し、多くの人が餓死してから、北韓の住民のほとんどは、配給ではなく闇市で食料を調達していました。
 
2005年に、指導部が食料の配給制度を正常化すると宣言したあとも、まともに配給が行われたのは、平壌など一部の地域に限られていました。
 
2009年にも配給制度の正常化を試みましたが、このときも、配給は、都市部の労働者や党員などを中心に行われたということです。
 
金委員長が地方経済の発展を指示したことについて、韓国の統一部は、北韓の財源は限られていて、武器の開発と地方経済の発展を両立させようとするのは無理があると指摘しました。
 
そのうえで、今の経済危機は、これまで住民の生活の向上から目を背け、武器の開発と挑発を続けたことで国際社会からの孤立と制裁を招いた結果だと批判しました。

[Photo : YONHAP News]

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