韓国の情報機関「国家情報院」は、北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長の娘、ジュエ氏について、「いまのところ有力な後継候補とみられる」としたうえで、「ほかの子どもの存在など、状況を変化させる要因が多いため、注意深く見守っている」と述べました。  
 
国家情報院長の候補者、趙太庸（チョ・テヨン）氏は、国会情報委員会の人事聴聞会に提出した書面による資料で、「ジュエ氏が登場して以降の公の活動内容や扱われ方の水準などを総合的に分析した結果、現時点では、ジュエ氏は有力な後継者の候補とみられる」という判断を示しました。
 
国家情報院は去年9月の段階では、国会で「ジュエ氏を後継者とみるのはまだ早い」と報告していましたが、最近、北韓のメディアを通じて公開されたジュエ氏の活動などを踏まえ、判断を変えたものとみられます。
 
一方、統一部の高官は、先月11月29日に北韓で開かれた空軍関連のイベントに、ジュエ氏が金委員長とお揃いの服を着て、写真の正面に立っていたことから、ジュエ氏が4代目として世襲する可能性かあるという見方を示しています。
 
ただ、趙氏は、「金委員長はまだ若く、健康にも異常がないうえ、ほかの子どもの存在など、状況を変化させる要因が多いため、あらゆる可能性を想定したうえで、注意深く見守っている」と述べました。
 
また、金委員長の子どもについては、「2013年生まれのジュエ氏のほかに、性別のわからない子どもがいると把握している」と説明しました。
 
国家情報院は2017年の国会情報委員会で、金委員長に長男がいると断定的に報告しましたが、ことし3月には、「金委員長の第一子が男の子だという諜報があり確認中だ」とトーンを弱めています。

[Photo : YONHAP News]